「スキンケアはコットン？それとも手のひら？どちらが良いの？」その質問の答えは、国によって変わります。
「化粧水といえばコットン」というイメージが定着した意外な理由について、「ヨーロッパと日本の水質の違い」に着目してまとめました。
「化粧水はコットンで」というイメージはどこから来たの？
「化粧水はコットンでパッティングするもの」というイメージがありまずが、それはどこから定着したのでしょうか。
その理由について調べてみたところ、スキンケア・コスメの先進国であるフランスの水事情に関係があると分かりました。
ヨーロッパでは「水」を使わないスキンケアが主流
日本の水は軟水が一般的で、洗顔フォームが泡立ちやすく、肌にも優しいという特徴があります。
ですがヨーロッパの多くの地域では硬水が一般的で、石鹸が泡立ちづらく、また肌荒れを引き起こしやすいという特徴があります。
ヨーロッパに多い「硬水(こうすい)」とは？
硬水(こうすい)とは、主にカルシウやマグネシウムなどのミネラルを多く含む水です。ヨーロッパに多い水質です。
硬水(こうすい) は、スキンケアに不向き
硬水は、含まれるミネラルが洗剤や石鹸の成分と反応して泡立ちを阻害したり、肌へミネラルの残留物（カルキや水垢、石鹸カスなど）が残り、肌荒れを引き起こしやすい傾向があります。
硬水(こうすい)の特徴
泡立ちが悪く、汚れを落としづらい
ミネラルが肌の刺激になる
肌に石鹸カスやカルキが残りやすい
硬水で洗うと、肌や髪が乾燥しやすくなる
ヨーロッパでは、「洗顔代わり」の拭き取りケアが発達した
ヨーロッパでは水道水を使わない「ふき取りケア」が発達
このような硬水の肌への悪影響をさけるため、硬水の多いヨーロッパでは、水道水を使わずに、「コットンで拭き取るタイプ」のスキンケアが発達しました。
水を使わないスキンケアの例
拭き取るコールドクリームやミルククレンジング、拭き取り化粧水など。
ヨーロッパのコスメ・ブランドは、コットン・ケアを推奨
ヨーロッパのコスメは、硬水が前提
日本でも人気が高い、ゲラン、クラランス、クリニーク、ランコム、シスレーといった老舗のコスメブランドは、全てフランス発祥のブランドです。
フランスは硬水なので、フランス発祥のコスメブランドの商品は、コットンを用いた拭き取りケアを前提としたものが多くなります。
「化粧水はコットンで」というイメージはヨーロッパから。
「化粧水はコットンで使うもの」というイメージが定着しているのは、「老舗デパコスの多くが、コットンでの拭き取りケアを推奨しているから」というのが理由の一つでしょう。
※近年ではヨーロッパの各ブランドからも、日本人の肌や水質に合わせた商品が開発・販売されています。
日本の水質は、肌当たりが良く、安心して洗顔できる。
ヨーロッパの硬水に対して、日本の水は、肌当たりのよい軟水が一般的です。
日本の水質「軟水(なんすい)」とは？
軟水(なんすい)とは、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルの含有量が低い水です。
軟水(なんすい) は、肌当たりが良い。
日本の軟水は洗剤や石鹸との相性が良く、泡立ちも良いので、洗顔に適しています。また、ミネラルによる刺激や肌への残留物（カルキや水垢、石鹸カス）が発生しないので、「肌当たりがよい」とされ、スキンケアにおいても安心できる水質とされています。
日本の水なら、毎日のケアは「洗顔」で十分
きちんと「洗顔」してるなら、コットンでの拭き取りは不要
日本の水は泡立ちが良く、汚れが良く落ちます。また、肌に優しい水質なので、水道水で毎日安心して洗顔やクレンジングができます。
つまり、「日本の水質なら、あえて化粧水で拭き取りケアをする必要はない」ということになります。
参考
花王 | 製品Q&A | 【成分･働き】温泉などで石けんの泡立ちが悪くなるのはなぜ？
https://www.kao.com/jp/qa/detail/16483/
硬水 – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A1%AC%E6%B0%B4
クレンジング – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3%E3%82%B0