ニキビの大敵？嫌われがちな「皮脂」の役割とは。ニキビ肌と皮脂ケアについて。

ニキビの大敵？嫌われがちな「皮脂」の役割とは

ニキビ肌の大敵「皮脂」とは

「皮脂の取りすぎは良くない」と、頭では分かっていても

ニキビや被脂性肌に悩んでいると、「とにかく皮脂をなんとかしたい、皮脂はニキビの大敵！」と感じることが多いのではないでしょうか。

ひどいニキビに悩んでいた以前の私もその一人で、「お肌に皮脂は必要なので、取りすぎは良くない。」と言われても、どうしてもピンときませんでした。

皮脂なんて無くなってしまえ！と思っていた。

それどころか、何をしてもベトつく肌がイヤになり、「皮脂なんて、この世から無くなってしまえ！」と感じたこともしばしば。

そもそも皮脂って何のために分泌されているの？

そんなニキビの大敵である「皮脂」ですが、決して意味もなく分泌されている訳ではありません。実はお肌にとって、大切な役目があるのです。

何かと嫌われがちな「皮脂」について、その役割や、皮脂ケアに役立つポイントをまとめました。

① 肌を乾燥から守る「フタ」としての役割

皮脂は「お肌を保護する天然のラップ」のようなもの

皮脂とは、皮脂腺から分泌される脂肪などを含む液体で、肌の表面にうすく広がって、様々な働きをしています。

皮脂は、目に見えない肌の保護膜

例えば、リンゴをカットしたとき。放っておくと断面から水分が蒸発して乾燥して、すぐに干からびてしまいますよね。そこで私達は普段、食べ物が乾燥して傷まないように、カットした部分をラップで包んだり、フタをして保護します。

実は皮脂には、お肌をつつんで保護する、「ラップ」のような役割があるのです。

適度な油分がないと、お肌は乾燥してしまう

肌の上に分泌された皮脂は、うすい油性の膜になり、「ラップ」のようにお肌を包みこんでいます。

この「うすい油膜のフタ」が肌を包むことで水分が蒸発するのを防ぎ、肌を乾燥から守っているのです。

肌の上から「油膜のフタ」がなくなってしまうと、お肌は乾燥し、乾いたリンゴのように固くごわつき、傷みやすくなってしまいます。

「適度な皮脂」がなければ、肌は乾燥し、不安定になってしまう。

② お肌を外的刺激から守る、バリア機能の役割

「油分のフタ」で、雑菌やホコリをブロックしてくれる

リンゴをカットしたまま、ラップをせずに放置したらどうなるでしょう。断面が空気に触れて変色したり、ゴミやホコリ、雑菌がついて、すぐに傷んでしまいます。

食品を包むラップは、乾燥を防ぐだけでなく、外から雑菌やホコリが侵入するのをブロックして、食べ物を衛生的に保つ効果があるのです。

「油分のフタ」が、肌を刺激や雑菌から守っている

皮脂のフタも同じで、肌を薄い油膜で包むことで、乾いた空気や雑菌などの「有害物質」や「外的刺激」が肌へ直接触れるのをブロックし、お肌を守ってくれています。

「皮脂」には、お肌を外的刺激から守る、「保護膜」としての役目がある。

③ 肌を健やかに保つ「抗菌機能」の役割

肌をうるおし、清潔な環境を保つ

ほどよい皮脂と善玉菌で「抗菌機能」が高まる

皮脂に含まれる成分が善玉菌*によって分解されると、肌表面は「弱酸性」の状態に保たれます。

肌が「弱酸性」になると抗菌能力が高まり、雑菌が繁殖しずらい環境になります。

つまり、適度な皮脂と善玉菌がバランスよく存在する肌は、お肌が清潔に保たれるので、雑菌が増えづらく、ニキビや肌荒れといった炎症を少なく抑えられるのです。

美肌の味方！「表皮ブドウ球菌*」とは

表皮ブドウ球菌とは、肌の角質層に存在する善玉菌の一種。

肌荒れの原因となる過剰な皮脂や汗を食べて、「肌に良い物質*」に変えてくれる、美肌にとって大切な善玉菌です。

*皮脂や汗を食べて、お肌の保護成分であるグリセリンや脂肪酸を作り出す。

乾燥や皮脂バランスの乱れで、肌は不衛生に

ですが、皮脂を取りすぎて肌が乾燥すると、肌のバランスが乱れ、善玉菌も減少してしまいます。お肌の「弱酸性」が保てず、肌が不衛生に傾きやすくなります。

肌バリア機能の安定には「適度な皮脂」+「潤い」+「善玉菌」の良好なバランスが欠かせない。

皮脂はお肌の「敵」ではない

何かと悪者にされがちな皮脂ですが、「皮脂はお肌を守ってくれる、大切な存在」ということがおわかりいただけたでしょうか。

オイリー肌はつい、「皮脂を洗う・取る」スキンケアに傾きがちですが、お肌にとって適度な油分は大切なので、皮脂の取りすぎは良くありません。

では、皮脂が気になるニキビ肌は、どのように皮脂をケアすれば良いのでしょうか。

皮脂を「コントロール」するスキンケアをしよう

皮脂は取らずに、「保湿でコントロール」しよう

皮脂が気になるオイリー肌に必要なのは、「皮脂を取り去るスキンケア」ではなく、「皮脂や油分を適切にコントロールするスキンケア」です。

そして、肌の油分バランスをコントロールするのに欠かせないのが、肌に油分を与える「保湿ケア」です。

オイリー肌こそ「コスメの油分」が必要

「皮脂が気になるオイリー肌なのに、油分を与える保湿が大切なの？」と思うかもしれませんが、「オイリー肌こそ、コスメで肌の油分を整えること」が大切なのです。

オイリー肌こそ、保湿で油分のコントロールが大切
皮脂より優れた「保湿コスメ」の油分を味方につけよう

オイリー肌に保湿が効く理由

ニキビ肌の皮脂ケアとして保湿が良い理由は、こちらに詳しく書いています。